Column — Hydrogen / Vol.02
私たちは呼吸によって酸素を取り込み、その酸素を使って食べ物からエネルギーを生み出しています。この過程で、取り込んだ酸素の一部が通常よりも反応性の高い状態に変化します。これが「活性酸素」です。
活性酸素は、名前の印象から「悪いもの」と受け取られがちですが、本来はそう単純ではありません。適量の活性酸素は、体内に侵入した細菌やウイルスを攻撃し、感染から体を守る役割を担っています。つまり、活性酸素そのものは、生命を維持するうえで欠かせない存在でもあるのです。
問題になるのは、活性酸素が「必要以上に増えすぎた」ときです。過剰になった活性酸素は、本来守るべき自分自身の細胞まで攻撃してしまいます。この、活性酸素が過剰になり体にとって負担が大きくなった状態を「酸化ストレス」と呼びます。
酸化とは、物質が酸素と結びついて変質する現象です。切ったリンゴを放置すると茶色く変わり、鉄の釘が雨ざらしで錆びていく——これらはすべて酸化の一例です。
体の中でも、これに近いことが起きていると考えるとイメージしやすいでしょう。過剰な活性酸素は、細胞やその構成成分を「錆びさせる」ように変質させていきます。この体内の"錆び"の積み重ねが、老化や不調のサインとして少しずつ表面化していくと考えられています。
活性酸素と一口に言っても、実際にはいくつかの種類が存在し、その性質や反応性は同じではありません。なかでも、反応性が非常に高く、周囲の細胞に与える影響が大きいとされるのが「ヒドロキシルラジカル」です。これは一般に「悪玉活性酸素」と表現されることもあります。
一方で、比較的おだやかに働き、体の防御やシグナル伝達に関わる活性酸素もあります。この「すべてが悪者ではない」「種類によって役割が違う」という点は、活性酸素を正しく理解するうえで重要なポイントです。
年齢を重ねることによる体の変化には、さまざまな要因が関わっています。そのなかで、酸化ストレスは老化の進み方に影響する要因の一つとして、長年研究の対象となってきました。
若い頃の体には、増えすぎた活性酸素を抑え込む「抗酸化」の仕組みが十分に備わっています。ところが、この抗酸化力は加齢とともに少しずつ低下していくことが知られています。すると、活性酸素の発生量と、それを処理する力とのバランスが崩れ、酸化ストレスがたまりやすい状態へと傾いていきます。
「昔と同じ生活をしているつもりなのに、以前とは違う」と感じる背景には、こうした体内バランスの移り変わりがあると考えられています。加齢そのものを止めることはできませんが、酸化ストレスとどう付き合うかは、日々の選択で向き合える領域だと言えます。
「よく眠ったはずなのに疲れが残る」「集中力が続かない」——こうした悩みを抱える方は少なくありません。
疲労には精神的・肉体的なさまざまな要素が絡みますが、体を使いエネルギーを大量に消費する場面では、それに伴って活性酸素も多く発生しやすくなると考えられています。心身に負荷がかかり続ける状況では、活性酸素の発生と処理のバランスが乱れやすく、それが「抜けにくい疲労感」として意識されることがあります。
疲労を単なる「気合い」の問題として片づけず、体内で起きているバランスの観点から捉え直すことは、コンディションを整えるうえで有意義な視点になります。
肌は、体の中でも外的環境の影響を最も受けやすい部位です。とりわけ紫外線は、肌で活性酸素を発生させる大きな要因として知られています。
過剰な活性酸素による酸化ストレスは、肌のハリを支える成分に影響を与えたり、くすみの印象につながったりする要因の一つと考えられています。スキンケアで外側から手をかけることに加え、「体の内側で何が起きているか」という視点を持つことは、年齢を重ねてもよい印象を保ちたい方にとって大切な考え方です。
活性酸素は呼吸をしている限り自然に発生しますが、その量は生活習慣や環境によって大きく左右されます。
代表的な要因として、精神的・肉体的なストレス、喫煙や過度の飲酒、紫外線、大気汚染、睡眠不足、不規則な食生活、そして激しい運動などが挙げられます。
こうして並べてみると、現代の忙しい生活には活性酸素を増やしやすい要素が幾重にも重なっていることがわかります。だからこそ、「増やしすぎない工夫」と「たまった負担をケアする習慣」の両面から向き合う発想が求められます。
活性酸素をゼロにすることはできませんし、その必要もありません。目指すべきは、過剰にならないよう「バランスを整える」という発想です。
日常でできることとしては、バランスのとれた食事、質のよい睡眠、適度な運動、禁煙、紫外線対策など、いわゆる生活習慣の見直しが基本になります。
そのうえで、近年注目されているのが「水素」を活用したアプローチです。水素は、数ある活性酸素のなかでも反応性の高い悪玉活性酸素に着目した研究が進められており、コンディショニングやリラクゼーションを目的とした場面で用いられるようになってきました。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、医療行為・診断・治療を目的とするものではありません。水素吸引は特定の疾患の予防・治療を保証するものではなく、感じ方には個人差があります。持病がある方、通院・服薬中の方、妊娠中の方は事前にかかりつけの医師にご相談ください。